『シャドーイングのやり方』

シャドーイングのやり方

英語を話すことは難しいと感じたことはありませんか?もしそうなら、スキルを強化するための方法があります:シャドーイング・テクニックです。これは単独で行える簡単な練習で、1日わずか約15分しかかかりません。

シャドーイングとは?

シャドーイングは、聞き取りと話す力を向上させるために効果的な方法で、同時通訳者のトレーニング法として始まりました。これは、オーディオを聴きながら、聴いた言葉を声を出して繰り返すことを指します(聞いている内容をすぐに繰り返し、影のように追いかけます)。オーディオの一部を聞いて、一時停止して、その部分を繰り返すことではありません。オーディオを止めずに音声の後を追いながら聴いたことを発音します。

しかし、シャドーイングだけでは英語を完全に習得することはできません。これはまるで運動能力を高めるためにランニングだけをするようなもので、実際には筋力トレーニングやストレッチも必要な場合と同じです。問題が異なれば、解決策も異なります。他の部位やスキルを鍛えるには別の練習が必要です。

リスニングのためのシャドーイングの理論(参考:Hamada 2019)

なぜ、シャドーイングがリスニングに効果があるか説明します。

シャドーイングをするとき、学習者は音に集中し、聞いた内容をすぐに繰り返します。しかし、聞いた内容を同時に再現するために、脳は多くのエネルギーを使います。母国語でのシャドーイングは、音と言語に慣れているため、音声の内容の理解をしやすいです。一方、外国語に慣れていない学習者は、限られた脳のエネルギーを音を聴くことに集中するため、音声の内容を理解する余裕が少なくなります。つまり、外国語に慣れていない学習者は、音を聞き取ることで精一杯で、意味まで意識が向かないということです。シャドーイングは、単語の音を聞いて認識するのを助けるため、リスニング力が向上します。

リスニングの熟練度が低い学習者は、内容を理解するために、自分の知識や文脈からの予測に頼ります。しかし、こうした方法に頼ることで、音を正確に聞き取る力の改善が妨げられることがあります。シャドーイングは、こうした予測に頼ることを防ぎ、学習者が音そのものに集中するのを助けます。これにより、意味ではなく音声の処理が増え、リスニング理解力が向上します。

また、発音の向上のためにシャドーイングを使用するには、シャドーイング中に発音に注意を払う必要があります。しかし、リスニング力が低い学習者にはその効果が限定的です。シャドーイングを使った発音の改善には、高いリスニング力が必要です。学習者が上級レベルに達したら、スピーキングのためのシャドーイングの準備が整います。したがって、初めはリスニング力の向上から取り組むことが重要です。

シャドーイングのやり方

オーディオを選ぶ:

  • ネイティブ・スピーカーのオーディオを選ぶ。
  • 学習者のレベルに合ったものを選ぶ。シャドーイングをすると口や顔の筋肉が疲れます。また、精神的にも疲れるはずです。しかし、シャドーイングは苦になるほど難しいはずはありません。ですから、難しすぎると感じたら、音声の速度を下げる(下げすぎない)、内容がわかるものを選ぶなどと工夫しましょう。
  • 興味深いものを選ぶ。例えば、TED talks、オーディオブック、Netflixの番組、YouTubeのビデオ、など。ストーリー性のあるものや文化背景などを含むものもいいかもしれません。
  • 絵本や本を使った多読・多聴と組み合わせることもできます。
  • 高性能なAI音声変換機能のアプリ(例えば、NaturalReader)を使い、シャドーイングをすることも可能です。

コンテンツを必ず理解する:最初に理解するためにオーディオを聴きます。主なボキャブラリーを理解していることを確認しましょう。シャドーイングをする前に内容を理解してください。Hamada 2014などの研究によると,内容を学習した後にシャドーイングを練習した学生たちのみが、リスニング理解テストで統計的に有意な改善を示しました。

文書付きでシャドーイング:文書を使ってシャドーイングすることができます。しかし、文書なしでシャドーイングにできるだけ早く移行しましょう。

文書なしでシャドーイング:英語経験がある学習者は、文書なしでシャドーイングを試みることをおすすめします。ここでは、単に聴いて真似ることに重点を置きます。書かれたスクリプトを使わずに、聞いた内容を同時に再現することが、本来のシャドーイングになります。

効果的なシャドーイングのためのポイント

積極的な参加:意識的に活動に取り組んでください。

シャドーイングに集中することが最善ですが、他のことをしながら行うことができます。たとえば、お風呂に入っているときなどにも行うことができます

また、共通の目標を持つ友どちと一緒に練習することもおすすめします。

セッションの時間:セッションを短く保ちます。理想的には10〜15分です。

繰り返し回数: 同じオーディオを数回繰り返しますが、過度な繰り返しは避けましょう(3〜4回で十分です)。

フィードバックを求める:自己学習の一環として、時折、教師やネイティブスピーカーからのフィードバックを求めることでより練習の効果を引き伸ばすことができます。

まとめ

最初はシャドーイングが奇妙に感じるかもしれませんが、毎日15分間、1か月間挑戦してみて、その改善を観察してください。また、モチベーション維持についても書きましたので、ぜひ、ご覧ください。

英語は多角的なスキルが必要なため、様々な練習方法が必要です。このことを踏まえ、シャドーイングを英語学習の一部に取り入れることをおすすめします。


参考文献:

  • Kadota, Shigeo. 2019. Shadowing as a Practice in Second Language Acquisition.
  • Hamada, Yoshiyuki. 2014. “The Effectiveness of Pre-and Post-Shadowing in Improving Listening Comprehension Skills.” The Language Teacher 38, no. 1: 3-10.
  • Hamada, Yoshiyuki. 2019. “Shadowing: What Is It? How to Use It. Where Will It Go?” RELC Journal 50, no. 3: 386-393. https://doi.org/10.1177/0033688218771380.
  • Hsieh, Kuo-Ting, Deng, Hsin-Hsiung, and Wang, Li-Yu. 2013. “Applying Shadowing Technique to English Intonation Instruction.”
  • Yamada, Yuko. 2018. Shadowing for Pronunciation Development.

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